憲法について、報道で話題にされることがありますが、
憲法はそもそも何なのか?
憲法は法律とどう違うのか?
憲法は何のためにあるのか?
まずはそうした部分から見ていきたいと思いますし、
憲法改正は最終的には国民投票によって、国民の判断で決まることになりますので、
憲法のことを多くの人に知ってもらいたいと思います。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
憲法改正の前に知っておきたいこと 憲法とは何か 憲法と法律の違い
憲法 国の最高法規としての位置づけ
(出典「photoAC」)
通常の法律とは違い、【憲法は国の最高法規】としての位置づけがあり、
憲法に反する法律は認められません。
ですので憲法は法律よりも格が上ということになります。
それが示されている憲法 第98条 第1項をご紹介しますと、
「この憲法は、国の最高法規であつて、
その条規に反する法律、命令、詔勅(しょうちょく)及び
国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。」と書かれています。
詔勅というのは、天皇が発する公式文書のことですが、
憲法に反したものは法律でも詔勅でも認められることはありません。
ではなぜ憲法が必要かと言うと、憲法は権力者を縛るもの、という役割があります。
憲法は権力者を縛るもの
法律は権力者が決めるもので、私たちが守らなければ法律違反で罰せられることになります。
ただ歴史を紐解(ひもと)けば、
権力を持った人間が横暴に振舞うこともあれば、怠けることがあるなど、
権力を持てば人はタガが外れてしまいがちなことは、歴史が証明していると思います。
もちろん歴史上には優れた権力者、いわゆる名君が存在しますが、
名君が歴史上に多いのなら、名君は名君として際立つことはなかったと思います。
むしろ名君は少数派で、だからこそ、その存在が鮮やかなものになり、記憶に刻まれることになったのだと思います。
名君がいつの世にもいれば良いですが、そうした人物は少数派で、
多くの場合は、横暴になったり怠けるようになったりすることが多く、
権力者が横暴になり、どんな法律でも作ることができることになれば、
私たちの生活は苦しいものになりがちで、
例えば憲法が無ければ、権力者は自分たちに不都合な人たちを、
取り締まる法律を作ろうと思えばできてしまいますが、
そうしたことを防ぐために憲法は存在し、そのために先ほど書いたように、
憲法に反した法律は認められないことになっていて、
【憲法は権力者を縛るもの】、という大きな役割があります。
また憲法を守らなければならないのは、主に政治家になります。
それを規定している、憲法 第99条をご紹介しますと、
「天皇又は摂政(せっしょう)及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、
この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」
摂政というのは、天皇がご病気の時などに、天皇の代理を務める方を意味しますが、
憲法は政治家など国家権力の側に立つ人が、守らなければならないものになり、
法律は政治家が国会で作成し、私たちが守らなければならないものになり、
その役割には大きな違いがあります。
憲法に書かれていること その内容とは
(出典「photoAC」)
ではその憲法には何が書かれているのでしょうか。
大きく分けると以下のようになります。
・国民主権と選挙による民主主義(憲法前文)
・天皇の象徴としての位置づけ(憲法 第1章)
・戦争の放棄(憲法 第2章)
・国会、内閣、司法、財政、地方自治など国家としての枠組み(憲法 第4~8章)
・国民の権利と義務(憲法 第3章)
憲法は主に国家としての枠組みを規定していて、戦争の放棄も規定されていて、
また国民の権利と義務についても規定しています。