加計学園の問題では、国家戦略特区という言葉が盛んに使われていましたが、
以前から構造改革特区というものがありました。
それらの違いはどこにあるのでしょうか?
ここでは国家戦略特区と構造改革特区について、
簡単な図を用いてそれぞれの違いをご説明します。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
国家戦略特区と構造改革特区の違い 国家戦略特区とは?
国家戦略特区というのは、
安倍内閣が2013年6月に閣議決定したことにより始められた特区制度で、
その特徴は、総理・内閣主導の枠組みという点にあります。
特区制度では国が定めた特定の地域で、規制改革などを集中的に推進することで、
その規制緩和がその地域で上手くいけば全国展開するものになります。
また具体的な制度設計などの検討を行う「国家戦略特区ワーキンググループ」や、
内閣府に設置され、総理大臣と官房長官、
その他大臣や有識者から総理が任命したメンバーで構成され、
総理や内閣に意見を述べる「国家戦略特別区域諮問会議」
そして特区ごとに設置され、国・地方公共団体・民間の三者から組織され、
国際競争力の強化など、経済成長を遂げるための、
その特区での区域計画を策定する「国家戦略特別区域会議」があります。
(図をクリックすると拡大してご覧いただけます。)
参考:首相官邸ホームページ 国家戦略特区
→http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/
この国家戦略特区では、
総理や内閣が主導して行うトップダウンの規制緩和の特区制度と言えます。
国家戦略特区と構造改革特区の違い 構造改革特区とは?
これに対して構造改革特区というのは、
小泉内閣が2002年に「構造改革特別区域法」を成立させて始められたもので、
規制緩和が上手くいけば全国展開する点は同じになります。
その特徴は、地方自治体や民間企業、または個人からの提案を募集することから始まるもので、
地方公共団体からの申請に基づいて規制緩和が認定されることにあります。
また内閣府に設置され、総理大臣とその他の全ての大臣で構成された
「構造改革特別区域推進本部」があります。
こちらの構造改革特区は、
地方や企業から吸い上げて行うボトムアップの規制緩和の特区制度と言えます。
また国家戦略特区が創設されましたが、構造改革特区も併用して行われています。
参考:首相官邸ホームページ 構造改革特区
→http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kouzou2/
終わりに
こちらの図では、手続などについては簡略化した図で示しています。
政治の話は言葉が難しいこともありますので、
こちらのページを参考にしていただければと思います。
また規制緩和については、岩盤規制=悪と考えられることが多い気がしますが、
その規制が本当に必要ではなくなっているのか?という検証は必要のように思います。
加計学園問題の岩盤規制について書いたページはこちらになります。
→閉会中審査に問われる加計学園問題 答弁の疑問と岩盤規制は悪?
また様々な疑惑も、うやむやになったままということも多く、
そこには税金の問題が潜んでいる場合もあります。
→加計学園問題の本当の問題は税金の使い道 定員増での対応は?
私たちは税金を払っていますので、税金の使い道に目を光らせるという意味でも、
多くの方に政治に興味を持ってもらえたら、と思います。