NHK受信料 最高裁判決は受信契約は合憲、法的強制力ありの判断

NHK受信料 裁判で負けると支払い義務はいつから?


(出典「photoAC」)

またこの裁判では受信料をいつの分から支払い義務があるのか?という点も争われていました。

受信料は視聴者から幅広く支払われるべきという観点から、

受信料をすぐに払い続けた人と、払い始めるのが遅れた人とで支払う金額に違いがあることは公平ではありませんので、

NHK側が受信料に関する裁判で勝訴した場合、゛受信設備(テレビなど)の設置の月以降の分の受信料債権が発生するというべきである。゛

との最高裁の判断が示されています。

(最高裁の判決文の中の()カッコ書きは私が記載したものになります。)

またこの点では5年の時効も争点になっていましたが、

受信料を払ってくださいと請求できる権利(債権)は、゛受信契約に基づき発生するものであるから゛

受信料に関してNHKと裁判で争った場合には、受信契約が発生するのはNHK側が裁判で勝訴した時点になりますので、

゛時効は,受信契約成立時(NHKが裁判で勝った時)から進行するものと解するのが相当である。゛

との判断が示されました。

そのため5年という時効は今回の裁判では適用されず、

テレビを設置した時点以降の受信料を払わなければいけないという判決が下されたことになります。

NHK受信料 訴訟に至るまでには?

またNHKの受信料について訴訟に至るまでには、

まず未契約者の家を訪問するのは各地のNHK営業センターや、契約業務を委託された外部業者から派遣された「担当者」で、

この担当者が受信料制度の説明をしても契約が困難と判断された場合に、「担当窓口変更通知」が送られることになり、

これまでの担当者に代わり、「受信料特別対策センター」が対応することが告げられるようです。

そして同センターのNHK職員が、未契約者に直接説明を行って、それでも契約に至らなかった場合に初めて「訴訟予告通知」が発送されることになるそうです。

(最高裁判決 引用元:http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/283/087283_hanrei.pdf

また訴訟に至るまでの経緯は、読売新聞を参照しました。)

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終わりに

日本では憲法裁判所はありませんし、憲法第81条にも、

「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」と記載されていますので、

今回の最高裁の判決では、放送法に関する憲法上の判断が示されました。

また最高裁の判決文を読むと、これまでの法整備の流れや放送の意義にも触れられていて、非常に興味深いものがあり、

途中でも書きましたが、ここではNHKの受信契約については、

これまで支払ってきた人との公平性や、今後のNHK受信料が支払われにくくなることを考えても、

「違憲」という判断は出なかったようにも思えます。

ただその他のワンセグ付き携帯に対する裁判では、地裁によって判断が分かれていますし、

多様化する端末や若者のテレビ離れという時代の流れに対して、NHKの向き合い方と共に受信料制度の見直しもいつかは必要になるのかもしれません。

また個人的にはテレビをよく見る世代でもあり、専門家の意見を民放ではタダで聞くこともできますし、

ネットの情報は断片的なものになりがちだとは思いますが、

テレビは様々な情報が流れてくれば、その中で様々な人の意見を聞くこともできますし、新聞もテレビとは扱っている内容には違いもあります。

できる限り触れる媒体や情報が多い方が、多様な意見を知ることにもつながりますし、

また最高裁の判決文でも示されていたように、健全な民主主義の発展のためにも多様なメディアの役割は大きいと思います。

戦前では政府の検閲などがあったことも判決文では示されていましたが、

憲法に明記された表現や言論などの自由は、「権力者からの」自由を意味するものだとは思いますので、

NHKを含めたメディアは権力者とも一定の距離を保って、権力を監視する役割も果たしてもらい、

民主主義の発展のために貢献してもらえたらと思います。

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