NHK受信料 最高裁判決は受信契約は合憲、法的強制力ありの判断

NHKの受信料について最高裁の判断が下されました。

結果としてはNHKの受信契約を規定した放送法64条1項について「合憲」という判断や、

裁判での判決の確定によってNHKの受信契約が成立するなどの見解が示されました。

最高裁の判決を読んでみると、過去の法整備との流れなどにも触れられていて興味深いものもありますが、

ここではHNKの受信料の最高裁判決について、詳しく見ていきたいと思います。

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NHK受信料 最高裁判所の判決は受信料契約に法的強制力ありとの判断を示す


(出典「photoAC」)

最高裁の判決を読んでみると、過去の法制度から現在に至るまでの変遷が記載されている点は、非常に興味深いものがあります。

その判決文によると、現在の放送法は昭和25年に制定されましたが、

それ以前では現在のNHK(昔は「社団法人日本放送協会」という名前だったようです。)のみが放送を行っていて、

その当時は放送の受信設備の設置にも許可が必要だったようです!

そして許可なく設置すれば罰則もあり、受信設備を設置した人は聴取契約に基づいて、現在の受信料を支払っていたようで、

ただ受信設備の設置の許可基準は法律で定められていたわけではなく、また放送は政府による検閲などの取り締まりが行われていたことが記されています。

そして時は流れ、放送法が定められますと、

その後、日本では「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できる」(放送法第15条)ことを目的とした「公共放送」と、

それ以外の一般事業者による「民間放送」の二本立て体制を採用。

昭和26年9月から広告料収入を財源とする「民放」が開始されましたが、

NHKでは広告の放送は禁止されていて(放送法第83条)、受信料収入によって経営がなされていることも判決文に記載されています。

この受信料については放送法の64条1項で、

「協会(NHK)の放送を受信することのできる受信設備(テレビなど)を設置した者は、協会(NHK)とその放送の受信についての契約をしなければならない。」

との定めがありますが、放送法の64条1項が裁判での争点になり、法的な強制力を持つものなのか?という点が判決文で示されました。

まず放送そのものの意義について゛国民の知る権利を実質的に充足し,健全な民主主義の発達に寄与するものとして,国民に広く普及されるべきものである。゛

と触れられた上で、受信料制度は特定の個人や団体、国家などからも財政面で支配などされることなく、

広く公平に負担を求めることで視聴者全体により支えらえる事業体であるべきことが示されていますし、

また以前の法制度が、受信設備の設置「許可制度」=実質的な聴取契約の締結だった点と、

その許可制度が廃止される中で、上記の目的などを果たすために、

゛法的強制力を持たない規定として定められたとみるのは困難である。゛

゛放送法64条1項は,受信設備設置者に対し受信契約の締結を強制する旨を定めた規定゛

との判断を示しています。

とはいえ、受信料の支払い義務は、NHKと視聴者の合意によって発生させること、

またNHK側は゛目的,業務内容等を説明するなどして,受信契約の締結に理解が得られるように努め,

これに応じて受信契約を締結する受信設備設置者に支えられて運営されていくことが望ましい。゛

゛任意に受信契約を締結しない者について契約を成立させる方法につき特別な規定を設けていないのであるから,

任意に受信契約を締結しない者との間においても,受信契約の成立には双方の意思表示の合致が必要というべきである。゛

との認識も示しています。

(゛゛で囲んだマーカー部分は最高裁の判決文から引用しており、以下も同様です。)

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NHK受信料 最高裁判決は受信契約は合憲との判断を

またこの裁判では、契約の自由など憲法で保障されている自由や権利を侵害しているなどの被告側の訴えに対して、

現在の日本では゛公共放送事業者と民間放送事業者との二本立て体制゛となっている中で、

公共放送を行っているNHKの財政基盤として、民主的・多元的である受信料制度については、

最高裁は以下にように「合憲」との判断を示すことになりました。

゛受信料制度は,国民の知る権利を実質的に充足し健全な民主主義の発達に寄与することを究極的な目的として形作られ,

その目的のために,特定の個人,団体又は国家機関等から財政面での支配や影響が及ばないように必要かつ合理的な制度として認められたものであり,国民の知る権利の保障にとって重要な制度である。

一方,受信設備を設置していれば,緊急時などの必要な時には原告の放送を視聴することのできる地位にはあるのであって,

受信料の公平負担の趣旨からも,受信設備を設置した者に受信契約の締結を求めることは合理的といい得る。

原告の独立した財政基盤を確保する重要性からすれば,上記のような経済的負担は合理的なものであって,

放送法64条1項は,情報摂取の自由との関係で見ても,憲法に違反するとはいえない。゛

また判決の中では受信料を支払っている方との公平性にも触れられていますが、

あくまで個人的な考えですが、これまで支払ってきた方のことや今後の影響を考えた場合には、

この裁判で「違憲」という判断はまず出てこなかったような気はします。

NHKの受信料をこれまで払ってきた方に対しても不公平ですし、

これから受信料を支払おうという人はほとんどいなくなるとも思いますし、そうなるとNHKは存立できなくなるとも思います。

とはいえこの判決が出たことで、テレビがあると受信料を払わなければならないということになりますので、

NHKに対しては同時に厳しい目も注がれることも指摘されています。

個人的にはNHKは面白い番組もあるとは思いますので一定程度は見ますし、

全国どこでも見ることのできる放送で、災害の情報などは深夜にも放送される点では評価をしていますが、

せめて「やらせ」などの問題は起き欲しくはないな、とは思います。

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