2017年衆議院選挙結果は自民党の圧勝に 野党分裂と自民党の勝因

小選挙区制度を上手く活用?自民党の組織力選挙戦略の勝利か?


(出典「photoAC」)

また小選挙区制度は、得票率と議席数がかけ離れた結果になることが指摘されていて、

この衆議院選挙では、自民党は小選挙区では得票率は48%でしたが、小選挙区の議席は74%という結果になりました。

小選挙区制度はその選挙区で一人しか当選しませんので、

野党がバラバラに候補者を立てると、与党に対する批判票がバラバラになってしまうと指摘されています。

野党が分裂したことは小選挙区制度を考えても野党にとっては痛かったところで、逆に言えば自民党には追い風で、

野党も政策は別としても、ここは自民党に勝つためにと候補者の一本化に成功していれば、また違った結果が出ていたと思われますし、

実際の選挙でも、与党と野党の候補者が一騎打ちになった選挙区では、

与党は39議席、野党は18議席と、2:1の割合だったのに対し、

与党と野党が分裂した選挙区の場合には、

与党は121議席、野党は33議席と、およそ4:1の割合で与党が圧勝という結果になっています。

(参考:「ひるおび」より)

ただ自民党は普段は厳しい選挙区を落とすことが多いと言われますが、

今回の選挙では、選挙日当日まで各家庭に電話をかけていたことで厳しい選挙区をモノにしたと指摘されています。

(選挙日当日に特定の「政党」や「候補者」への投票を呼び掛ける行為は違法ですが、選挙に行きましょうと勧めるだけの場合には違法ではありません。

 政党や候補者に対して投票を呼びかける行為は「選挙活動」になりますが、

 その「選挙活動」が行えるのは、投票日前日までと公職選挙法に定められています。)

やはり政党としての下部組織がしっかりしていたことも自民党が強かった要因だと思いますし、選挙コンサルタントという方もいます。

自民党などの政党には、企業のように選挙のノウハウや戦略があるのだと思われますが、

組織として選挙を戦う中で選挙戦略を描きつつ、地道な選挙活動を続けてきたことは、今回の選挙の大勝の要因の一つだったと思います。

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選挙で浮かび上がった政治家の姿勢に対する疑問


(出典「photoAC」)

また今回の選挙では、当選するために政党を変えたり、主義主張を変えた議員に対しても疑問の声が上がっていましたし、

与党の自民党もこの点を突いて選挙戦を戦っていました。

個人的には安保法制など国会での主義主張を変えることについては、しっかりとした根拠があるならともかく、

選挙前に希望の党に入るため、という理由で主義主張を変えたことに対しては、

タイミングから見ても選挙に勝ちたいため、という理由しか見えてこないと思います。

そうすると国会での議決を通した主義主張でさえも、選挙を前にするとコロコロと変えるということになれば、

今後はそうした政治家の国会での発言は、信用を失っていくことになっていくと思います。

(追記)

後日報道を見ると、希望の党の踏み絵と呼ばれた「政策協定書」には、細かく見ると安保法制については

「現行の安全保障法制については、憲法に則り適切に運用する。

 その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。」と記載されていて、

希望の党に入党した方によれば、

当初は「集団的自衛権を容認する」と明確に書かれていたものが、協議により上記のように修正されたようで、

憲法に則った運用をする点でアメリカ軍と共に地球の裏側にまで戦いに行かないなど、この内容は民進党の考えと同じものだそうです。

(「ひるおび」より)

当初の「集団的自衛権を容認する」と明確に書かれていたものが先に流れてしまったことで、

こうした細かい点までは選挙中は私を含め、ほとんどの方には伝わっていなかったように思いますが、

細かくて分かりづらかった点や、選挙になるとそれぞれの議員の方も忙しい選挙活動に突入する中で、誤解を解けなかったのかもしれません。

ただそれでも現在の安保法制を容認することに変わりはありませんし、

「憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること」という「政策協定書」の内容は、自民党の憲法改正にも前向きにも見え、

自民党との対立軸という姿が見えづらくなったことは確かだと思いますし、

その点は他の野党からも自民党の「補完勢力(同じ主張で大集団の勢力を助ける小集団)」という批判もありました。

ただ時間がなく政策協議が難しかったのは、急な解散の影響もあったとは思います。

(安保法制については北朝鮮の危機は分かりますが、憲法は権力者を縛るという役割があります。

 私は安保法制は憲法違反だと思いますし、だから自民党はこれまでの憲法解釈を変更したのだと思っていますが、

 危機があるからといって憲法違反のものを許してしまえば、

 権力者は危機があれば憲法を無視して徴兵制を行うなど、何をし始めるか分からない怖さもあると思います。

 もしも本当に危機があって必要で、それでも憲法改正が難しいのなら、

 せめて自民党には集団的自衛権を争点にして選挙で戦うぐらいはして欲しかったと思います。)

また希望の党の候補者からは、小池都知事に対する批判の声も上がっているようで、

確かに小池都知事のいくつかの失言は希望の党にとってマイナスに働いたとは思いますが、

個人的には政治家であれば、どの方でもそれぞれの看板を掲げておくべきだと思いますし、

維新の会は橋本元市長の個人商店だと指摘されていましたが、政治家も基本的には誰もが個人商店であるべきだと思います。

また希望の党に合流したのも、このままでいるよりも希望の党に合流した方が得をするから、という理由で入ったのだと思いますが、

すでに議員であった方であれば、それまでの政治家としての活動の中で、

自分が選挙の顔となれるような活動や活躍を人々に見せれば良かったと思いますし、

そうした力がなく、それができずに他の人を選挙の顔として戦わなければいけない状況なら、

その状況をまずは一旦は飲み込んで、組織を支えることを考える必要があるように思います。

民進党は求心力より遠心力が働くと言われていましたが、

単にこの政党にいれば安泰だから、という理由だけで政党をコロコロ変えるような議員が民進党には多かったのかな?とも思えます。

(追記:少し言い過ぎかもしれませんが。)

また自民党からはこれまでも離党する人が多かったですが、

逆風でも自民党に残っている人たちだけになったことで、自民党は組織としてまとまることができるようになった面はあるのかもしれませんし、

それは立憲民進党も同じなのかもしれません。

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終わりに

小泉進次郎議員も選挙応援にかなり飛び回ったようで、彼の人気も自民党の追い風にはなったと思いますし、

経済が好調で若い人たちの就職率が良かったことも自民党にとって追い風ではあったと思いますが、

今回の選挙を振り返ると、地味に自民党はやはり組織がしっかりしていると思いますし、

地味に自民党は選挙戦略がしっかりとしていた印象があります。

選挙では風が吹くことがありますが、今回は野党から崩れた部分もあり、

ただその中で効いてきたのは、地道なことの積み重ねが地力を育み、

その地力が選挙での結果に反映したような、そんな印象を持ちました。

また小選挙区制度には問題があると言われますが、

その選挙制度の中で、自民党は厳しい選挙区には自民党は4回も大々的な調査を行うなど、

厳しい選挙区に集中的に力を注いだ部分があり、小選挙区を考えた戦い方をしていたように思いましたし、

野党はこの小選挙区制度の中で、候補者について一本化するなど選挙協力が求められるとも言えます。

また私たち投票をする側としては、もしも与党に反対の立場で一票を投じるとすれば、

票を集めやすいと思われる野党の第一党の候補者に一票を投じる、などの工夫が必要なのかもしれません。

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