核兵器禁止条約と核不拡散条約の違いとは?ノーベル平和賞を受けて

ノーベル平和賞は「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」という国際NGO団体が受賞しました。

授賞理由は核兵器を条約で禁止しようとする努力が挙げられると共に、北朝鮮の核開発にも触れられていました。

またこの団体は核兵器禁止条約を成立させるために、国際世論を盛り上げてきたと言われています。

ただ日本は核兵器禁止条約には参加していませんでした。

ここでは核兵器禁止条約と核不拡散条約について考えてみたいと思います。

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ノーベル平和賞をICANが受賞!核兵器禁止条約とは?


(出典「photoAC」)

核兵器禁止条約は、核兵器の開発や保有、使用などを禁じる条約で、

威嚇することも禁じているために、「核抑止」についても否定的な考え方を示したものになっています。

また被爆者という言葉も条約の前文でそのまま使われ、

核兵器禁止条約では日本の被爆者に対する敬意が表されています。

ただ「核抑止」についても否定的な条約ですので、日本も反対の立場を表明していますが、

アメリカやロシアなどの核保有国をはじめ、アメリカの核の傘に守られているドイツなどのNATOの加盟国なども反対し、

条約の交渉にも参加しなかったと伝えられています。

国連に加盟している国は193ヶ国と言われていますが、この条約は122ヶ国の賛成で採択され、

この条約を批准(ひじゅん=外国との条約を国として同意)したのは50ヶ国と言われています。

これまでの核軍縮の条約 核兵器不拡散条約(NPT)について

またこれまでの核軍縮の条約としては、核兵器不拡散条約(NPT)があります。

このNPTではアメリカ、ソ連(当時)、イギリス、フランス、中国以外の国に核保有を禁じた条約ですが、

核保有国だけに核保有が認められている点は批判の対象となっています。

ただこの5ヶ国に対しては核軍縮について交渉を行うことを法的にも義務付けたもので、

5年ごとに運用検討会議で核軍縮への取り組みが検討されることになっていますが、

2005年と2015年には、合意文書を採択することができていないなど、交渉が難航している実態もあります。

またインドとパキスタン、イスラエルはこのNPTに参加していないまま核開発を進めたと言われています。

(イスラエルは公式には核保有を認めていませんが。)

条約が一部の国で成立したとしても、参加していない国に対してまでは拘束力がない点が、条約の難しさと言えるのかもしれません。


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核兵器禁止条約の実効性は?

核なき世界を目指すことは、確かに理想だと思いますし、

私自身も広島の原爆ドームと平和記念館を訪れたことがありますが、

その悲惨さを目の当たりにし、その当時を想像すると核の恐ろしさも感じますし、

被爆した方々がその後に差別されていたことや、そのために出身地を隠していたことを報道で知る機会がありました。

核兵器は二度と使うべきではないと思いますし、そうした世界を目指すべきだとも思います。

ただ実際に核を持っている国が複数あり、

その国の核抑止力の傘の中で、軍事的な恩恵を受けるべく政治的な交渉や努力が続けられてきた中で、

その中で核を禁止することだけを打ち出す、また核抑止まで否定することは、

結果的に核保有国や核の傘に依存している国の同意は得られにくいようにも思います。

日本政府は当時の岸田外務大臣が、

「核兵器国と非核兵器国の対立を一層深めるという意味で、逆効果にもなりかねない」

と答弁していましたが、条文の内容をよく考えてみると確かにそういう面があるようにも思います。

また現在ではまだ50ヶ国しか条約には同意していないことを考えると、

現時点ではまだ、この条約の実効性には疑問があると言えるのかもしれません。

条約が国連で賛同されたことは喜ばしい一方で、まだ核なき世界への道のりは険しいと言えるのかもしれません。

人間社会はこれまでの歴史では、力で制することが当たり前の時代でもありましたし、

そのために戦争が続き、核を持つに至りましたが、

今後も戦争があるかもしれない中で、核保有国も一方的に核を手放すことは難しいのかもしれませんし、

核をお互いに持っていることで、戦争が起きにくくなるという核抑止力という側面は、

現実的には否定できない面はあるのかもしれません。

終わりに

ここでは核兵器禁止条約と核不拡散条約について見ていきましたが、

私としては核なき世界を目指すべきだと思いますし、

核兵器禁止条約があれば、今後は同意する国が増える可能性はあるのかもしれませんし、

核なき世界を目指す一つの方法ではあると思いますので、全く反対という意見ではありません。

ただ現実的に考えた場合には、条約に参加していない国に対しては、その実効性には疑問がありますし、

大国が行ってきた核開発や、その大国と核の傘で守ってもらうことについて交渉を続けてきた国がある中で、

そうした国々にとって、核兵器禁止条約は積み上げてきた努力を捨て去ることになりかねないことを考えると、

核兵器禁止条約には簡単に参加できない面があるように思えます。

そういう意味では現実的な難しさがあるように思えますし、核なき世界への道のりは険しいものがあるとも思います。

一方で核保有国との対立をできる限り生み出さない形で核軍縮が進めばと思いますし、

また核に反対する声を上げ続けることは、核なき世界を目指す上では非常に大切なことだと思います。

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